“求人広告を出す前に”やるべきことって、実はあります
“求人広告を出す前に”やるべきことって、実はあります
2025年5月18日
地域の求人誌を、なぜ読むのか
私は普段から、地元の飲食店やスーパーなどに置かれている求人誌を手に取るようにしています。
それは単なる興味や好奇心ではなく、どんな業界がどれだけの人材を必要としていて、どんな条件が提示されているのか、地域の労働市場の実態を把握するための情報収集の一環です。
また、地元で活動している転職エージェントのサイトや掲載企業のホームページも確認しながら、採用の動向を掴むことを習慣にしています。どの業界が伸びているのか、どの企業が採用に力を入れているのか、これらの情報は経営判断に直結するからです。
求人誌にあふれる“似たような言葉”
求人誌をめくってみると、「人材募集中」「未経験歓迎」「高収入」といった言葉が連なり、イメージ写真や笑顔のモデルが掲載されたページばかり。
でも、そうした広告が本当に求職者の心を動かしているのかといえば、疑問が残ります。
その企業の人となりや想い、働く人々の表情、雰囲気、仕事に対する姿勢など、「この会社で働きたい」と思える要素が、どれだけ表現されているでしょうか。
給与だけで勝てない時代
地元の経営者同士の会話の中では、必ずといっていいほど「給与は上げてあげたいけれど難しい」という話が出てきます。
特に、初任給だけを引き上げると、既存社員の給与も調整しなければならない。そうなると、会社の財務に大きな影響を及ぼしてしまう。これは中小企業にとって非常に現実的で深刻な課題です。
私自身も、人を大量に雇っているわけではありませんが、自社の未来を考えるとき、人件費の重みは常に意識しています。
じゃあ、何で選ばれる会社になるか
給与で差がつけられない場合に、どうすれば求職者から選ばれる会社になれるのでしょうか。
それは、企業の理念や社会的意義、社内文化や人間関係といった「見えにくいけれど重要な価値」を、どう見えるかたちにして伝えられるかどうかにかかっています。
つまり、企業の“意味”を伝えること。
今は、給与や勤務時間だけではなく、「この会社で働くことが自分の人生にどう影響するか」を真剣に考える時代です。
“紙に出す前に”やるべき設計
ハローワークや求人誌への掲載を否定するわけではありません。
でも、それを「最初の接点」にしてしまうと、せっかくの出会いが“通り過ぎるだけ”の関係で終わってしまいます。
本当に必要なのは、その求人を見てくれた人が、次に「検索」し、「調べ」、納得して応募に至るまでの情報設計です。
会社のWebサイトに代表者の言葉があるか、スタッフのリアルな顔が見えるか、更新されているか。SNSが動いているか、口コミに対応しているか。
すべてが「この会社、大丈夫かな」と思わせるきっかけにもなれば、「ここで働いてみたい」と思わせる理由にもなります。
HETが提供する“広報設計”
弊社HETでは、求人広告の前段となる情報設計の支援を行っています。
たとえば、採用パンフレットや説明動画の制作。スタッフインタビューの編集や写真撮影。企業の魅力を引き出し、言葉にするお手伝い。SNS運用のサポートや、広報体制の内製化支援まで、多面的にご支援可能です。
私たちは、単なるグラフィックデザイン会社ではありません。
人材を惹きつけ、未来の仲間との接点を築くための、コミュニケーション全体をデザインする会社です。
求職者に「選ばれる」会社になるために
給与や勤務時間が全てではなくなった今、会社の価値は「どう伝えるか」で決まってきます。
求人広告を出す前に、企業のあり方を見つめ直し、魅力を整理し、共感される発信へとつなげていく。
そのための設計に、ぜひ私たちHETをご活用ください。
お問い合わせはこちら。
株式会社HET
長谷川 嵩
SNSは“投稿”じゃなくて“設計”だ──再び任せていただいた運用代行に思うこと
SNSは“投稿”じゃなくて“設計”だ──再び任せていただいた運用代行に思うこと
2025年5月15日
「もう1度!」と運用代行のご相談をいただきました
最近、あるクライアント様からInstagram運用代行についてのご相談をいただきました。
実はこのクライアント様、以前に弊社でSNSアカウントを運用させていただいていたのですが、社内予算の都合でいったん運用を止めることとなり、その後しばらくの間、更新が止まっていた状態でした。
そして今回、「やはり再びお願いしたい」という形でお声がけいただきました。
こうした“戻ってきてくださる”というのは、何よりも嬉しい瞬間です。
大切なのは“目的に合った体制設計”です
SNS運用というと「誰かが投稿すればいいんでしょ」と思われがちですが、実際はそう単純な話ではありません。
社内でやるのか、外部に委託するのか、あるいはその中間──
各企業によってリソース・目標・予算・現場の状況が異なる中で、私たちが重視しているのは「理想と現実をすり合わせる設計」です。
最初から丸投げでもいいですし、「どうやればいいのかわからない」場合は一緒に戦略を考えるところから始めます。
アカウントが止まる“ダメージ”は想像以上
SNSアカウントが突然止まると、ユーザーは「もう営業していないの?」「ブランドの勢いがなくなったのかな?」といった印象を持ってしまうことがあります。
これまで築いてきた信頼や世界観、ファンとの関係性が、一気に静まり返ってしまう──
「情報発信の継続性」は、SNS運用においてとても大きな要素だと改めて感じました。
現場スタッフにとっての“SNS業務”の難しさ
広報のご担当者や現場スタッフの方にとって、SNSの投稿というのは“見えづらい仕事”です。
業務の合間にスマホをいじっている姿が、他部署の方からは「ゲームしてるの?」「ネットサーフィン?」と誤解されてしまうことも。
弊社ではそういった“社内理解”の壁を超えるために、社内報や説明資料の制作、マニュアル整備、役職者向けレクチャーなどもサポートしています。
社内で育てたいのか、外注で成果を出したいのか
SNSは“続けること”が大前提です。
そのためには、まず企業が「どうしたいのか」「社内でやるのか」「外注するのか」を明確に決める必要があります。
今の時代、「やらない!」は無いでしょう…!
弊社では、
– 社内で運用していきたい企業向けの“育成支援型”プラン
– 外注して成果を重視したい企業向けの“フルサポート型”プラン
– 一部アウトソース・一部内製の“ハイブリッド型”プラン
など、柔軟に対応しています。
SNSは“時間と信頼”で育てるメディア
「バズらせて」「すぐフォロワーを増やしたい」という要望を耳にすることもありますが、SNSは基本的に“じっくり育てていく”メディアです。
ブランドイメージの構築、ファンとの関係性づくり、信頼の蓄積。
これらは一朝一夕でできるものではありません。
だからこそ、継続して、適切に、戦略的に運用していく価値があるのです。
SNS、任せてよかったと言ってもらえるように
私たちは、ただ投稿代行をするだけの会社ではありません。
「社内でやるか」「外注するか」──その判断のための情報整理から始め、必要があればマニュアルも作り、体制も整える。
そして運用が始まったら、成果を見ながら改善し続ける。
そんな伴走型のSNS支援を、これからも大切にしていきたいと考えています。
社内運用に限界を感じている方も、これからSNSに力を入れたいと考えている企業様も、
ぜひお気軽にご相談ください。
“任せてよかった”と言っていただけるよう、私たちは全力で取り組みます。
株式会社HET
長谷川 嵩
“メニュー表を作ってください”から始まった、サービス全体のデザインプロジェクト
【飲食業向け】サービス全体のデザインプロジェクト
2025年5月2日
ご依頼は「飲み比べメニューを作ってください」から始まった
現在、弊社がクリエイティブを担当させていただいているとある飲食店様から、「日本酒の飲み比べメニュー表を作ってほしい」というご依頼をいただきました。
ご依頼自体はとてもシンプルで、飲み比べ用のメニュー表を制作してほしいというもの。ですが、弊社ではそれを「ただのメニュー制作」としては捉えませんでした。
なぜなら、飲み比べという体験そのものを成立させるには、メニュー表だけではなく、提供の仕組み、スタッフのオペレーション、そしてお客様の行動導線に至るまで含めてデザインされている必要があると考えているからです。
メニューは“情報”ではなく“体験の導線”である
地域柄、訪れるお客様には外国人観光客の方も多く、日本酒に対する知識や文化的な背景も多様です。
そこで、ただ酒の名前を並べるのではなく、「日本酒とは何か」を伝える簡潔な情報を英語で付記し、それぞれの味の特徴をビジュアルとともに伝える設計にしました。
同時に、店舗スタッフの皆様にとっても「外国人のお客様から毎回同じ質問を受ける」負担を軽減できるよう、必要な情報を事前にメニュー内に盛り込み、注文がスムーズに完了するよう導線を設計しました。
サービス全体を「デザイン」するということ
オーダーの仕組みについても、ただ選んでもらうのではなく、「オーダーシート形式」にすることで、ミスを限りなくゼロに近づける工夫を施しました。
選んでもらった日本酒にはそれぞれテーマカラーやナンバーを付け、提供時にもスタッフが迷わずお酒を出せるように配慮。
また、そのお酒を提供するトレイのサイズから、並べ方、注ぎ口の向きに至るまで、「提供時の美しさ」や「視認性」「間違いのなさ」を徹底して設計。これもすべて、弊社が担う“デザイン”の範疇だと考えています。
SNS時代に欠かせない「魅せる」デザイン
来店されたお客様に「思わず写真を撮って投稿したくなる」ような工夫も随所に盛り込みました。
提供用のプレートは、光の反射まで意識したカラーリングとレイアウトに。メニューも手に取って映えるデザインで、ブランド価値を高めるきっかけに。
情報・体験・ビジュアル、そのすべてがひとつに繋がるデザイン体験を構築することを目指しました。
デザインはリモートで完結。でも思考は深く、距離は近く
お忙しい飲食店様にとって、密な打ち合わせは難しいこともあります。
そのため弊社ではLINEやメール、チャットツールを活用し、リモート完結を前提とした円滑なコミュニケーション体制を整えています。
必要な情報はできる限り“画像ベース”でやりとりを行い、店舗側が迷わず対応できるようサポート体制も構築しました。
私たちが選ばれる理由を考える
私たちのクリエイティブは、ただグラフィックを仕上げることが目的ではありません。
お客様のオペレーション全体を見据えた“サービス設計”としてのデザインを提供すること。これが、弊社が掲げるスタンスです。
一般的なデザイン料金と比較すると、決して“安い”とは言えないかもしれません。
しかし、スタッフの負担を減らし、お客様の体験価値を高め、ミスを防ぎ、売上やブランド価値を向上させる仕組みまでを考え抜いたデザインには、必ず“結果”が宿ると信じています。
今回の飲み比べ企画も、クライアント様にご満足いただけたことが何よりの成果です。今後この企画がどう育っていくかを見守りつつ、引き続きクライアントのビジネスに伴走していければと考えています。
株式会社HET
長谷川 嵩
“またお願いしたい”と言ってもらえること──信頼でつながるロゴ制作の現場から
“またお願いしたい”と言ってもらえること──信頼でつながるロゴ制作の現場から
2025年4月25日
新たな挑戦に伴走しています
現在、ある企業様のロゴ制作を担当させていただいています。
このご依頼主は、かつて別の企業で弊社とお取引のあったご担当者で、今回は新たに起業されるとのこと。その立ち上げに伴うロゴ制作を、再び弊社にお任せいただくこととなりました。
こうしてご縁が続き、「またお願いしたい」と言っていただけることほど、クリエイターとして嬉しいことはありません。
起業の瞬間に選ばれるということの意味
私自身も経験がありますが、起業というのは決して平坦な道のりではなく、不安と希望が交差する繊細な時間です。
その大切なタイミングで、会社の顔となる“ロゴ”の制作パートナーに弊社を選んでくださったということは、単なる外注ではなく“信頼”そのものであると感じています。
だからこそ、「きちんとしたものを」「意味のあるものを」お届けしたい。ロゴ一つに込められたその想いを、私たちは決して軽くは扱いません。
ロゴ制作=AIでもできる時代。でも、私たちに依頼される理由
いまやロゴは、AIを使えば無料で生成できますし、数千円で手軽に発注できるサービスも多数存在しています。
それでも、私たちのような“高価格帯”と呼ばれるプロフェッショナルにロゴ制作を依頼してくださる方々がいるという事実は、非常に重く、ありがたいことです。
私たちの仕事は、「かっこいい」や「おしゃれ」といった表面的な魅力だけではなく、その会社のビジョン、価値観、未来像を一つの“かたち”に落とし込むプロセスそのもの。
対話の中で言語化される想いや、業界背景を踏まえた解釈、事業の方向性と整合した提案。AIにはできない、人と人のやり取りの中でしか生まれない要素が、確かにあると信じています。
ロゴは“マーク”ではなく“機能”である
ロゴ制作においては、デザインの見た目以上に“機能性”が求められます。
まず、他社ロゴとの類似性チェックや盗用の回避は基本です。その上で、以下のような多様な展開に対応できる構成を設計しています。
– 横組・縦組
– モノクロ版・白抜き版
– 英語表記バージョン
– アイコン展開(SNSやアプリアイコン用)
– カラー設定(CMYK/RGB/Webカラーなど)
– ロゴ規定(使用範囲・余白・縮小率・NG例を含むマニュアル化)
これらをトータルで設計・制作し、「社内で迷わず使える」「印刷・Web・動画すべてに適応できる」状態で納品しています。
クライアントの未来に責任を持てるロゴを
ロゴは、会社のアイデンティティそのものです。名刺、Webサイト、SNS、会社案内、社章、社用車、のぼり、イベントツール…あらゆるところで使われ、企業の顔として長年機能します。
だからこそ、私たちは目の前の“制作物”ではなく、そのロゴが未来にわたって果たす“役割”を見据えて仕事に取り組んでいます。
デザインを通じて信頼関係を築き、未来に寄り添うブランドの根幹を一緒につくる。そんな気持ちで、日々クライアントと向き合っています。
ご依頼くださった皆さまに、心からの感謝を。
そしてこれからも、“意味のあるかたち”を、一つひとつ丁寧につくっていきたいと思っています。
株式会社HET
長谷川 嵩
ゴールデンウィークも、いつも通りお仕事しています
ゴールデンウィークも、いつも通りお仕事しています
2025年4月19日
弊社は連休中も営業します
いよいよ大型連休が近づいてきましたが、皆さまご予定はいかがでしょうか?
株式会社HETでは、今年のゴールデンウィーク期間中も通常どおり営業しております。
私たちは少数精鋭の小さな会社ではありますが、そのぶんフレキシブルにスケジュールを調整できる強みがあります。
スタッフそれぞれの休暇の希望をうまく組み合わせつつ、お客様のご要望や納期に合わせた体制を整えております。
“急ぎでお願いしたい”という声に応えるために
この時期、企業様によっては「連休中にコンテンツを仕上げたい」「連休明けすぐにリリースしたい」といったご依頼をいただくことがあります。
そういったお急ぎ案件にもできるだけお応えしたい。そんな思いから、今年のGW期間も休まず稼働することにいたしました。
“必要なときに、必要な対応ができること”
これが、私たちが大切にしている姿勢のひとつです。
とはいえ、決して“365日働きづめ”というわけではありません。
バランスを取り合いながら、生活リズムや家族との時間も尊重し、適切にお休みをいただいています。
無理をしてまで働くのではなく、必要なときに、必要な力を発揮できるように。そんな体制づくりを心がけています。
お困りごとがあれば、いつでもご相談ください
連休中でも、「こんなことお願いできるかな?」「連休明けすぐに納品したいけど…」というご相談があれば、どうぞ遠慮なくご連絡ください。
いつでも、どこでも、誠実に寄り添える制作会社でありたい。
そんな思いを胸に、今年のゴールデンウィークも、いつもと変わらず“お客様第一”で頑張ってまいります。
株式会社HET
長谷川 嵩
納品して終わり、じゃない──東京の現場を見に行ってきました
納品して終わり、じゃない──東京の現場を見に行ってきました
2025年4月9日
東京でのイベント現場を見学してきました
先日、弊社でクリエイティブを担当させていただいたイベントの現場を見に、東京まで足を運びました。
今回の案件は、イベント全体の運営ではなく、ビジュアル関連の制作物──看板やポスター、サイン、グッズなどのクリエイティブ部分のみを担当させていただいたものです。
基本的に業務はすべてリモートで完結しており、制作・納品も問題なく進行しましたが、「実際に現場でどう使われているか」を確認したいという思いから、現場へ伺いました。
リモートで完結できるけれど、“現場に行く理由”がある
弊社では、日常的に東京や全国のクライアントとリモートでやり取りをしています。
制作フローもクラウドベースで整備されており、対面でなくても何ら支障なく、効率よく、かつコストを抑えて業務を進めることが可能です。
それでもなお、イベント案件に関しては「現場で実物を見る」ことが極めて大事だと感じています。
納品したサインが実際の空間でどう見えるか、動線に対して視認性はどうか、掲示位置は適切だったか──これは画面上だけでは判断できない“空気感”があるからです。
“納品して終わり”ではない、伴走型のデザイン会社でありたい
制作会社の中には、納品が済んだら役割終了というスタンスのデザイン会社もあるかもしれません。
しかし弊社は、納品後に「実際どうだったか?」を自ら確かめに行くようにしています。
現場視察やクライアントへのご挨拶にかかる交通費や滞在費は、原則として弊社が自費で負担しています。
これは単なるマナーや気持ちの問題ではなく、次の改善につなげるための大切な投資だと考えているからです。
実際に現場に行って見えたこと
今回の現場では、来場者の導線に対してどこにサインを設置すべきか、ポスターの掲示場所は視認性が良かったか、グッズの売り場でどのようにクリエイティブが生かされていたかなど、現場でなければ気づけなかった点が多々ありました。
同行した弊社の担当デザイナーも、「画面上では想像できなかった課題や工夫に気づけて勉強になった」と話していました。
このような経験の積み重ねが、次の案件に向けての改善提案や、説得力ある提案書の裏付けになっていくのだと感じています。
「安い・早い」ではない、責任ある制作パートナーであるために
私たちは、オンラインだけで完結する「安くて早い制作会社」ではありません。
ご依頼いただいたからには、最後まで責任を持ち、納品物がきちんと機能していたかを確かめたい。
そして、クライアントのブランドがその場でどう見られていたのか、来場者の反応はどうだったかを感じ取り、より良いご提案に繋げていく。
そういった一つひとつの積み重ねが、信頼されるパートナーとしての土台になると信じています。
これからも“届けて終わり”ではなく、“届けた先”まで見届ける会社でありたいと思います。
株式会社HET
長谷川 嵩
リアルイベントに、やっぱり私は心を動かされる──インターペッツに行ってきました
リアルイベントに、やっぱり私は心を動かされる
2025年4月6日
展示会に行ってきました
先日、東京ビッグサイトで開催された「インターペッツ」に足を運んできました。
弊社では、看板犬・看板猫として私のInstagramにたびたび登場するメンバーがいます。社内でも動物との暮らしを大切にしており、私自身もペット関連の市場には日頃から関心を持っています。
広告事業とは別軸で、いつかペット関連の事業にも関わっていきたいという思いがあり、今回は情報収集と学びを兼ねて来場しました。
展示会を“来場者目線”で見て、感じたこと
久しぶりに一来場者として展示会を巡りましたが、改めて「やっぱり展示会って面白い」と感じました。
特に印象的だったのは、偶然の出会いの多さです。事前情報だけでは知り得なかった商材、独自の視点で作られたサービス、そして空間そのものから伝わってくる熱意。
オンラインでは得られない“空気感”を吸い込める場所として、リアルイベントの価値を強く実感しました。
そして職業病なのか、会場設計やブース導線、スタッフの配置や搬入経路などもつい目が行ってしまいます。来場者でありながら、運営目線で頭の中はフル回転でした。
原点は展示会プロモーションにあった
私が広告業界に入ったばかりの頃、最初に手がけていたのが展示会や企業イベントのプロデュースでした。
幕張メッセ、東京ビッグサイト、パシフィコ横浜…。いわば「庭」と言ってもいいほど、現場で汗をかいてきました。
想定外のトラブルにも何度も遭遇しましたが、あの時期に“現場力”という武器を身につけられたことは、今でも自分の強みだと思っています。
当時の経験が、現在の私の思考や動き方、そして経営にも直結しています。
デジタルとリアル、そのはざまで
コロナ禍以降、展示会もオンライン化が進みました。コストパフォーマンスや効率、移動コストなどを考えれば合理的な選択だと思います。
しかし、リアルイベントにはリアルにしかない魅力があります。偶然の発見、人の熱量、空気の重み。
私自身、日頃はデジタルコンテンツやオンライン広告の世界にどっぷり浸かっていますが、それでもリアルイベントに触れるたびに心が動くのを感じます。
この自己矛盾とも言える感覚こそが、今の時代を象徴しているようにも思えます。
クライアントへ還元するために
展示会で感じたこと、得た知識や感覚は、これからの企画や提案の中に落とし込んでいきたいと考えています。
広告やクリエイティブに携わる以上、どれだけアンテナを高く張り、現場で感じた“気づき”を形にできるかが問われると思っています。
私を育ててくれた展示会の現場と、今も信頼してお仕事を任せてくださるクライアントの皆さまに、しっかり恩返しができるように。
これからもリアルとデジタルのはざまを歩きながら、学び続け、提案し続けていきたいと思います。
株式会社HET
長谷川 嵩
企業映像は“作って終わり”じゃない──従業員リスクと情報管理から考える制作の在り方
企業映像は“作って終わり”じゃない──従業員リスクと情報管理から考える制作の在り方
2025年3月25日
期初総会のアタックムービーを制作しました
先日、ある上場企業様の期初総会に向けたオープニング映像、いわゆる“アタックムービー”を制作させていただきました。
全社を挙げて新しい期のスタートを迎える大切なイベントに、弊社をパートナーとしてお選びいただけたことに心より感謝しています。
本件においては、制作に入る前からクライアントと秘密保持契約(NDA)および業務委託契約をしっかりと締結し、情報の取り扱い・業務の範囲・成果物の管理体制を明確化したうえで進行いたしました。
特に今回は、社内の多くの従業員様のお写真を活用する構成だったため、情報セキュリティと肖像権の取り扱いには通常以上の慎重さが求められました。
映像に従業員の写真を使うというリスク
従業員の顔が映るということは、その人の“個人情報”が記録・配信・二次利用されるということに他なりません。
例えば、制作後まもなく当該従業員が退職した場合、会社案内映像や採用向け動画に継続して登場させることが難しくなる場合もあります。
実際に「退職者が映っている映像を修正したい」「差し替えたいが素材がない」という相談を、これまでに多くいただいてきました。
制作物の更新が単なる“デザイン変更”では済まされず、会社の信用や採用活動にも影響するリスクとなり得るのです。
契約と説明でリスクは回避できる
弊社では、従業員の映像使用に関するリスクを最小限に抑えるため、社内向けの“肖像利用同意書”フォーマットを提供しています。
さらに、広報部門や人事部の方と連携しながら、社内向け説明文や承諾取得の手順なども整備するお手伝いをしています。
「こういう説明をすれば納得してもらいやすい」といった、実務に基づくアドバイスも行いながら、スムーズな社内対応をサポートします。
社内説明会の実施で社内理解を促進
必要であれば、弊社ディレクターが従業員説明会に同席し、「なぜ出演が必要なのか」「どのように使われるのか」「どんな権利処理がされているか」といった説明を直接行うことも可能です。
社員の方に“安心して映像に登場してもらう”ことは、単なる形式ではなく、クオリティに直結する重要なステップです。
映像は“人の思い”が映るもの。だからこそ、出演する側の納得感を大切にしたいと私たちは考えています。
映像制作は、コンテンツ制作と法務・社内調整の複合業務
私たちは単に映像を「作る」だけの会社ではありません。
情報管理、社内調整、法的手続き、運用までを視野に入れた“包括的な制作支援”を強みとしています。
従業員の肖像利用、データの管理、承諾取得、将来的な差し替え可能性までを見据えて、映像というコンテンツの“持続性”を設計します。
おわりに
制作物のクオリティはもちろん重要ですが、それと同じくらい大切なのが“安心して使い続けられること”。
「誰が出ているのか」「どう扱われているのか」に配慮した上で完成する映像は、企業にとって本当に“使える”コンテンツになると私たちは信じています。
こうした丁寧な取り組みが、結果的にお客様の信頼につながり、長期的なお付き合いへと発展していくことを、日々の現場で実感しています。
映像制作に伴うリスクや課題にお悩みの方がいらっしゃれば、ぜひ一度、私たちにご相談ください。
“作って終わり”ではない、本質的なクリエイティブをお届けいたします。
株式会社HET
長谷川 嵩
ガチャガチャが止まらない──トイカプセル市場の今と、企画の裏側
ガチャガチャが止まらない──トイカプセル市場の今と、企画の裏側
2025年3月20日
はじめに
最近、クライアントとの打ち合わせのなかで「この製品、カプセルトイにしたら面白いんじゃない?」という話題が持ち上がりました。
半分冗談のようなやりとりでしたが、調べてみるとトイカプセル、いわゆる“ガチャガチャ”市場が今とても活況だということがわかってきました。今回はその市場動向や実際の事例、そしてカプセルトイの持つ広告としての可能性について、調査を踏まえてまとめてみたいと思います。
第4次ブームと言われる今のカプセルトイ市場
一般社団法人日本カプセルトイ協会(JACTA)の発表によれば、2024年度のカプセルトイ市場は、メーカー35社へのヒアリング調査に基づき、製造元出荷ベースでおよそ1,410億円に達したとのことです。
前年度(2023年度)の1,150億円と比べて122.6%の伸びを示しており、出店数も全国で700店舗以上。リリースされる新商品も2023年度は月500種類程度だったのが、2024年度は月700種類と、約1.4倍に増加しています。
SNSでの拡散性や、“推し活”文化と結びついたコレクション性の高い商品が受けており、カプセルトイはもはや「広告としての価値を持つプロダクト」として企業にも注目されています。
なぜ今、トイカプセルなのか?
ガチャガチャがここまで拡大している背景にはいくつか理由があります。
まず、出店のしやすさ。人件費や内装工事が不要なため、空港や駅、商業施設の空きスペースに設置しやすく、導入コストが比較的低いという利点があります。
また、インバウンド需要が回復する中で「日本らしいお土産」としての需要も高まりを見せており、企業プロモーションとしての価値も上昇しています。
こんな企業まで?話題の事例紹介
調査の中で特に面白いと感じたのが、ヤマザキマザックによる事例です。
2024年11月、ヤマザキマザックは自社の工作機械5機種を1/64スケールで精巧に再現した「工作機械ミニチュアコレクション」を全国のカプセルトイ専門店などで発売しました。
普段はあまり一般生活者の目に触れることのない“工作機械”をあえてミニチュア化し、その造形美や技術力をカプセルという形で伝えるという、極めてユニークな取り組みです。
製品の質感・ディテール・カラーリングまで精密に再現されており、知名度向上・教育用途・ファン層の拡大など、複数の狙いを兼ね備えたプロモーションとなっていました。
ロットは多い。でも使い方しだいで化ける
トイカプセルをOEMなどで制作する場合、最小ロットは概ね20,000個前後からというのが一般的です。
この数をどう活用するかというのが1つのハードルになりますが、たとえば企業の周年記念品や展示会のノベルティ、お祭りイベントでの景品など、配布先を設計すれば有効活用は可能です。
特に地方企業の場合、地元のお祭りやフェスでの“地元キャラ”のカプセル展開は、地域活性化にも繋がる面白い取り組みになり得ると感じました。
おわりに
何気ない会話の中から立ち上がったトイカプセルの企画でしたが、調べていく中でその広告的な可能性や市場としての奥深さに気づかされました。
「かわいい」「面白い」「誰かに見せたくなる」。
そんなシンプルな感情を呼び起こすトイカプセルは、今や立派なブランドプロモーションの手段のひとつ。
私たちも今後、こうした“やわらかくて強い企画”をクライアントと一緒に仕掛けていけたらと考えています。
株式会社HET
長谷川 嵩
TVer広告は“マス広告”?“デジタル広告”?──現場に関わっているからこそ考えるメディアの今
TVer広告は“マス広告”?“デジタル広告”?──広告費の考え方から見るメディアの革新性
2025年3月15日
きっかけは、とある配信ドラマから
最近、弊社でクリエイティブを担当させていただいたあるドラマがTVerで配信されており、その本編をチェックしようと再生した際、冒頭に広告が流れてきました。
その瞬間、「この広告って、広告費としてはどう計上されるのだろう?」とふと考えたのです。マスメディア広告ではないだろうとは思いつつも、TVer広告の扱いが業界的にどう分類されているのか、改めて調べてみることにしました。

TVer広告の特性を整理する
まず、TVer広告は明確に「インターネットを通じて配信される動画広告」であり、スマートフォンやパソコン、コネクテッドTVといったさまざまなデバイスで視聴されています。
広告フォーマットはスキップ不可のインストリーム型が基本で、番組本編前や途中に挿入され、視聴者の注目度が高いとされています。
さらに、TVerはファーストパーティーデータを活用したターゲティング配信が可能で、居住地や年齢層などを踏まえて高精度な広告配信を行っている点も、従来のテレビ広告との大きな違いです。
では、広告費としてはどう位置づけられるのか?
TVer広告は技術的には「デジタル広告」に分類されますが、広告業界の大手媒体である電通報では「新しいマス広告」として紹介されています。
月間4.9億回という膨大な再生回数、そしてテレビ局が提供する安全で高品質なコンテンツ内で配信されるという構造から、従来のテレビCMに近いリーチ力とブランドセーフティを両立している点が、ハイブリッドなメディアと評価されている理由です。
これは、単純にインターネット広告として予算配分すれば済む話ではなく、「テレビのようなメディア」としての力も持っているからこそ、マーケティングの設計において慎重な判断が求められる媒体だと感じました。
テレビコンテンツの強さ、そしてTVerの革新性
広告の分類の話とは別に、TVerというプラットフォーム自体に対して、私は非常に高い評価を持っています。
いわゆる“マスメディア”が持つコンテンツ制作力、特にドラマやドキュメンタリーといった長尺の作品群は、依然として高いクオリティを誇っていると感じます。
そのような上質な番組を、ユーザーが好きな時間に、好きな場所で楽しめるという“オンデマンド視聴”の仕組みは、視聴体験として非常に優れていますし、その中で適切な広告を表示できるというのは、広告媒体として見ても非常に革新的です。
ユーザー体験を損なうことなく広告を配信できるTVerの構造は、まさに現代的な広告プラットフォームの理想形の一つだと感じました。
おわりに
TVer広告が「マス広告」なのか「デジタル広告」なのか、その問いの答えはひとつではないのかもしれません。
ただ、確かなのは、こういった“分類の境界線”を考えること自体が、メディアや広告の変化を読み解くヒントになるということです。
私たちは日々、さまざまな現場に立ち、最新の広告やメディアに触れながら、その中で得た知見をクライアントに還元していくことを大切にしています。
これからも、変化するメディア環境にしなやかに対応しながら、本質的なコミュニケーションを追求していきたいと思っています。
株式会社HET
長谷川 嵩