先日、既存のクライアント企業の経営者の方からお声がけいただき、会食をご一緒しました
やったことは本当に食事をしただけです。でも、私にとっては少し特別な夜でした。

東京で会社員をしていた頃は、上司や先輩と一緒に、クライアントの皆さまと食事をご一緒する機会がそれなりにありました。
当時の私は、むしろ進んで参加していたタイプです。

けれど、リモートが当たり前になり、私自身も会社を経営するようになってからは、「事務所は長野、クライアントは東京」という形が増えました。
結果として、夕食を挟んだコミュニケーションは、以前よりずっと少なくなりました

だからこそ、今回のお誘いは新鮮で、素直にうれしかった
そして会食の時間の中で、《こういう場でしか拾えない情報がある》と改めて感じました。

接待文化は薄くなった。でも、飲み会は消えていない

最近は、地方の中堅企業でも、取引先を招くような、いわゆる接待の文化は薄れてきている印象があります。
日中にきっちり仕事を進め、関係性も合理的で、これはこれで健全です。

一方で、飲み会そのものが完全に消えたかというと、そうでもない
減っているのは回数というより、“強制感”や“同調圧力”のほうで、今は“選ぶコミュニケーション”に寄ってきた。そんな空気を感じます。

昔は“行くのが当たり前”が先に立っていました。
今は“行く理由があるなら行く”に近い。
この違いは、しれっと、でも確実に大きいと思います。

思い出した小話。真顔で返ってきた一言

そういえば、東京で広告会社に勤めていた頃、自分がチームを持ってマネジメントしていた際、部下であった新卒入社の女性社員に会社の飲み会のお誘いをしたことがあります。
そのとき、真顔でこう聞かれました。

「なんで行かなきゃいけないんですか? それって強制ですか?」

悪気ではなく、純粋な確認
当時は驚きましたが、今思うと、すごく健全な問いだった気がします。

曖昧な同調圧力が通用しにくくなった
その変化を、一言で突きつけられたような感覚でした。

 

会食で得られたのは、本音と価値観だった

今回の会食で一番ありがたかったのは、経営の悩みや意思決定の背景を、少しだけ本音で聞けたことです。

日中の打ち合わせは、どうしても議題が中心になります。
一方、食事の場だと、ふっと前提が出てくる瞬間があります。

“何を避けたいのか”
“社内でどこが摩擦になっているのか”
“なぜ今それを急いでいないのか”

こういう前提が分かると、提案の順番も、言い方も、作るべきものも変わります
私にとっては、アイデアが湧き、モチベーションが上がる時間でした。

そして何より、日々の仕事について率直な評価もいただけた。
“ご納得いただけている”という言葉は、素直に励みになります。
同時に、そこに甘えず、伸ばすべき点を積み上げていこうと思えました。

地方の環境は、会うこと自体が体験になる

ここは誤解されがちなので、もう少し丁寧に書きます。

企業名や肩書きをここで明かすことは控えますが、実際に“誰もが名前を聞いたことのある企業”の意思決定層の方が、わざわざ地方まで来てくださることがあります。
事務所の空気や制作環境を見ていただき、そのまま会食をご一緒し、近くで過ごし、宿泊を伴うコミュニケーションになることもあります。

これが意味するのは、地方という環境は、“会うこと自体がイベントになりやすい”ということです。
仕事の話だけで終わらない時間が生まれやすく、その分、相手の価値観や判断の癖が見えやすい。
その理解が深まるほど、次の提案や制作の精度が体感として一段上がる。私はそう感じています。

忘年会を拒む社員がいる、という話から考えたこと

今回の会食では、企業側のコミュニケーション設計の話にもなりました。
ある経営者の方が、宿泊を伴う会社の忘年会に、参加を拒む従業員がいる、という話をされていました。

正直、私は少し不思議に感じました
というのも、私自身はそういう場があるなら割と進んで参加していましたし、幹事も進んでやっていたタイプだからです。

ただ、ここで大事なのは、参加しない人を責めることではないという点だと思います。
参加しない理由には、価値観も性格もある。
出世や昇進そのものに価値を感じない人も増えている。
そうなると、ストレスを抱えてまで参加する価値がないと判断する人が出てくるのも自然です。

だから、経営側が考えるべきことは、結局のところ次の二つだと思います。

ひとつ目は、“その会を何のために開催するのか”という設計
“社員に気を遣って開催する”だけだと、運営が苦しくなります。
会社としてどういう文化を育てたいのか
何を共有したいのか
そのために場所、時間、内容をどう設計するのか
ここが明確であるほど、社員も納得しやすい。

ふたつ目は、“その文化に合う人をどう集めるか”という採用の視点
全員に合わせることはできません。
ならば、会社が大切にしたい文化を言語化し、それに共感する人が集まる状態を作るほうが健全です。
忘年会に限らず、こういう場面には、会社の価値観がそのまま出ます

こういう設計や言語化を考えるのが、私は結構好きです。
だから久しぶりに“大きい飲み会の空気”を聞いて、少しやりたくなりました。
企業文化としてのイベント設計、というテーマで。

会食や飲み会は、これから“設計の問題”になっていく

会食や飲み会は、昭和っぽい営業かどうか、というより、これからは“設計の問題”になっていく気がします。
強制ではなく、選択であり、配慮の上に成り立つもの

そのうえで、価値観が共有できるなら、仕事は前に進みやすい
逆に共有できないなら、無理に同じ場に集めても、摩擦が増えるだけかもしれません。

近年は、Webや印刷物、SNSなどの制作比率が増えていますが、私の根っこにあるのは、やはり“リアルな接点”です。
人と人が同じ場を共有し、その場の空気や言葉や体験が、そのまま企業の評価や意思決定に影響していく

その接点を、目的に合わせて設計する。
販売促進のためなのか。
愛社精神を育てるためなのか。
従業員の定着や採用力を上げるためなのか。
あるいは、企業文化を言語化し、共有するためなのか。

イベントは、ただ集まって盛り上がるだけのものではなく、会社の課題解決のための強い装置になります。
だから私は、今回の会食をきっかけに、改めてこの領域の面白さを感じました

もし、企業の忘年会、周年イベント、社内表彰会、研修やキックオフなどで、場の設計から進行、コンテンツ、クリエイティブまで一気通貫で組み立てたいタイミングがあれば、ぜひ声をかけてください。
従業員数が多いかどうかとは別に、“場を設計して前に進める”ことは、私たちの専門領域です。

 

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