先日、沖縄へ視察に行ってきました。
以前から興味のあった“富裕層向けの滞在体験”と、ジャングリアを起点に起きている観光圏の変化について、現地で調査したかったからです。
移動手段はバイクにしました。

取り立ての免許でまだ慣れていない部分はありますが、気になった場所でさっと停まれる。車では入りづらい道にも入れる。結果として、体験の粒度が上がりやすいと感じています。
今回見たかったのは、沖縄本島全体の観光の動きです。
その中でも特に北部は、変化が凝縮して見えそうだと思い、意識して時間を取りました。
知識が「空気」に変わる瞬間 軍用地の話
沖縄には、いわゆる【軍用地】という特殊な不動産の文脈があります。
基地関連の土地が一定の賃料で借り上げられ、その賃料が地主の収入になっている。そうした話題です。
私はこの“軍用地の賃料収入”について、事前に動画などで情報としては知っていました。
ただ、現地の不動産屋さんや地元の方の話を聞くと、同じテーマでも見え方が変わりました。
制度の説明だけなら、ネットで追えます。
でも、そこで暮らす人の言葉で聞くと、利害や不利益、賛否の感情、距離感が、もう少し立体的に入ってきます。
視察で大事なのは、事実の暗記ではなく、意思決定の背景にある「空気」を掴むこと。
この部分は、現地で深まったポイントでした。

外資系ホテルで見えた 「ホテルの強さ」と「周辺体験の差」
視察の中では、外資系のホテル周辺を何件か歩き回りました。
理由はシンプルで、富裕層向けの滞在体験が“ホテル単体”ではなく、周辺の時間の使い方まで含めて完成するからです。
ザ・リッツ・カールトン沖縄
沖縄のゴルフを目的に来る富裕層向けの色が強く、ホテル内で体験を完結させる思想を感じました。
周辺の街へ出て夜遊び、というより、敷地内で丁寧に満足させる設計です。
ヒルトン沖縄瀬底リゾート
周辺は静かな田舎という印象で、夜に外へ出て楽しむ前提ではないと感じました。
静けさは価値になりますが、その分、ホテルの中でどう満足度を積むかが重要になりそうです。
ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄
那覇市内から約1時間で到達できる距離感は、体験設計として強いと思いました。
北部ほど工程が重くならないため、滞在の自由度が上がり、選ばれやすい条件が整っている印象です。
ここでの学びは明確でした。
高級ホテルがあることと、滞在中に“周辺でもう一段楽しめる”ことは別問題です。
ホテルの格が上がるほど、周辺の飲食、夜の過ごし方、移動のしやすさ、街の空気感が、滞在価値を左右します。
ホテルだけで完成させるのか。
エリア全体で完成させるのか。
沖縄は今、場所によってこの差がはっきり見える段階だと感じました。
移動行程の重さが「価値」にも「壁」にもなる
本島を動いてみると、移動時間や導線の組み立てが、そのまま体験の印象を左右します。
特に北部は、日帰りだと“薄く終わりやすい”場面があると感じました。
ゆっくり回るなら2泊3日、可能なら3泊。
この前提があるだけで、見えるものが変わります。
ここで大事なのは、“行程の重さ”が両面を持つことです。
泊まって初めて見える魅力がある。
一方で、行程が重いほど、行く理由が強くないと選ばれにくい。
外から見れば盛り上がりに見える。
でも地元としては、期待と不安が同時にあるはずです。
その温度感まで含めて理解できると、施策の設計精度は上がります。
泊まって確かめた 北部の顧客体験
今回、Lit Hotel NAKIJINにも宿泊しました。
きっかけは、ジャングリアの動きに合わせて開業した、というニュースを事前に見かけたことです。
“ジャングリアの拠点に近いホテル”として、距離感や立地の感覚を、実際の顧客体験として確かめてみたかった。
そう思って、宿泊先の候補に入れました。
泊まることで、見えるものが変わります。
朝の空気、移動のペース、夜の静けさ、時間の余白。
北部は、短時間で消費するより、滞在して初めて価値が立ち上がる素材が多いと感じました。
Lit Hotel NAKIJINは、部屋が広く、荷物をしっかり収納できるつくりで、ロングステイでも使えそうだと思いました。
この“生活できる余白”は、滞在価値を底上げする要素になり得ます。
一方で、滞在価値を押し上げるには、宿泊そのものに加えて、夜の過ごし方や周辺の選択肢がもう少し厚くなると強い。
ここは、率直な感想です。
港町の古さが残る場所 「アジアっぽさ」と「ハワイとの差」
古さを強く感じたのは、古宇利島のハートロック周辺でした。
昔ながらの海の家が通り沿いに並び、歩いて移動しづらく、駐車場も狭い。支払い方法も古い体験が残っていて、全体として伊豆の田舎の港町に似た印象でした。
この光景は、東南アジアの港町ではよく見ます。
ただ、ハワイではあまり見ないタイプの体験でもあります。
沖縄が“アジアのハワイ”を目指すなら、こうした体験のばらつきは、少しずつ底上げしていく必要がある。
個別店舗の良し悪しではなく、エリアの体験品質の話です。
富裕層向けの芽は すでに出ている
一方で、富裕層向けに本気で取りに行こうとしている事業者も見かけました。
高級リムジンのレンタル事業が存在していて、お金を持った人の流れを前提にした動きがすでに始まっている。
こういう芽が増え、周辺の体験と連携していくと、観光産業はもっと豊かになります。
滞在中にお金を使う先が増える。
夜の選択肢が増える。
移動のストレスが減る。
結果として、リピートの理由が増えます。
静かな沖縄の価値は もっと伸ばせる
今回、個人的に強く感じたのは、オフシーズンの沖縄の快適さでした。
暑くもなく寒くもなく、体が楽で、移動も落ち着いている。
マイナス10度以下の環境で暮らしている身としては、心身が整う温度感でした。
静かに過ごす沖縄には、確かな需要があるはずです。
そして“良い店は、ちゃんと良い”。この当たり前が成立しているのは強いと思います。
CAPFUL うるま市石川店は崖の上のカフェで、景色だけでなく、空気感そのものが体験として成立していました。
SHOGUN BURGER 恩納村店は高級ハンバーガーとして、味も空間も整っていて、気分が上がる。こういう店があることは、沖縄の強さだと感じます。
ここは、単なる紹介ではなく、【オフシーズンの価値をどう磨き、どう届けるか】という設計の話にもつながります。
広告会社として思うこと
今回の視察で改めて確信したのは、沖縄には素材がある、ということです。
ただ、その素材が「面」としてつながり、選ばれやすい形に整っているかは、場所によって差がある。
ここで私たち広告会社が提供できる価値は、単発の集客だけではありません。
何を価値として打ち出すかを整理し、体験を言語化し、写真や映像に落とし、予約や来訪につながる導線まで整えることです。
富裕層向けなら、ホテルの外の時間をどう作るか。
本島観光なら、工程の重さをどう“納得できる価値”に変えるか。
港町なら、体験のばらつきをどう底上げしていくか。
オフシーズンなら、その快適さをどう魅力として届けるか。
こうした設計は、現地を見ているほど精度が上がります。
今回の沖縄視察は、そのための材料を集める時間でした。
「面」にするために必要なこと
沖縄は、ポテンシャルが高いと言われ続けてきました。
その言葉が空回りしないために必要なのは、施設を増やすことだけではなく、体験をつなぎ、選ばれやすい形に整えることだと思います。
“点”で良いものがある。
それを“面”にするには、周辺体験、移動、夜の過ごし方、情報の出し方まで含めた設計が要ります。
そして、その設計は、現地の空気を知っているほど強くなる。
私たちは今後も、現地で見て、学んで、設計に落として、事業に還元できる形で提案していきます。
今回の視察で見えたことは、その第一歩として十分に濃い収穫でした。
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株式会社HET
長谷川 嵩
(※ブログ内の一部画像はイメージです)






