とあるクライアント先で、こんな場面がありました。

新しい広報施策について、経営層と現場メンバーが同席している打ち合わせ。

社長が「これはぜひやりたい」と話し、全員がうなずいているように見えるのですが……

誰も主体的に「じゃあ自分が動きます」とは言わない。

視線はなんとなくテーブルの上か、資料のあたりを泳いでいる。

 

打ち合わせが終わり、経営層の方が席を外したあと、

現場メンバーと個別に話すと、こんな本音がこぼれてきます。

 

・「必要なのは分かるんですけど、正直やる余裕がないです」

・「やったところで評価される気がしないし、怒られないように今の仕事を回すだけで精一杯です」

・「予算も時間もついてこない“やりたいことリスト”だけ増えていく感じで…」

・「失敗したら自分の責任になりそうで怖いです」

 

現場の感覚としては、どれもよく分かる声です。

私自身が会社員だった頃を振り返ると、きっと同じように感じた場面があったと思います。

なぜ「やったほうがいいこと」が、いつまでも動かないのか

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、私はこうした状態を

「静かなブレーキがかかった組織」

と呼んでいます。

誰も大声で反対はしていない。

でも、心の中ではブレーキを踏んでいる人が多い状態です。

そこには、いくつかの理由が混ざっています。

 

・やっても評価されるイメージが持てない

・予算も人員もセットで伴走してもらえない

・失敗したときに守ってもらえる安心感がない

・そもそも何から始めればいいか分からない

 

最近の組織心理学の研究では、「心理的安全性」が高いチームほど、生産性が高く離職率も低いと言われています。

また、従業員エンゲージメントが高い企業は、そうでない企業と比べて業績や生産性が高い傾向にあるというデータも、多くの調査で示されています。

 

つまり、

【現場が安心して動けない組織は、長期的に見て確実に機会損失を起こしている】

ということです。

「やってほしい経営」と「動けない現場」のすれ違い

一方で、経営側の言い分も、よく分かります。

 

・「現場のことを思って、ちゃんと予算もつけているつもり」

・「会社としては新しいチャレンジを歓迎したい」

・「任せたいのに、誰も手を挙げてくれない」

 

数字や将来のリスクを見ているからこそ、

「このままではマズい」「今のうちに変わらないと」

という危機感を持っている経営者の方は、地方の企業でも少なくありません。

 

でも伝え方や落とし込み方を間違えると、現場からは

「また社長が何か言ってる」

「どうせ実務を回すのはこっち」

と、温度差だけが広がっていきます。

 

その結果、せっかくの【広告・広報・採用・ブランディングのチャンス】が、

「検討しただけ」「一度やって終わり」で消えていくのを、私は何度も見てきました。

営業代行・AI・自動化だけでは、埋まらない“最後の一手”

ここ数年、営業やマーケティングの世界では

・AIを活用したリード獲得

・インサイドセールスのアウトソーシング

・営業代行会社によるアポイント獲得サービス

などの手法が一気に増えました。

 

こうしたサービス自体は、うまく使えばとても心強いパートナーになります。

ただ、現場でよく耳にするのはこんな声です。

 

・「アポイントは取れたけど、その先の提案がうまくいかない」

・「せっかく見込み顧客のリストが溜まっても、追客の仕組みがない」

・「どのツールからどれくらい売上につながったか、結局よく分からない」

 

つまり、

【入口(アポ・リード獲得)だけを外注しても、

その後の“育成”と“刈り取り”の設計がないと、投資対効果が見えない】

という状態に陥りやすいのです。

 

私が間に入るときに、必ずやっていること

こうした「現場と経営の温度差」や、「施策の入口だけが先行している状態」に出会ったとき、私がまずやるのは、クリエイティブの話ではありません。

やるのは、だいたいこの3つです。

 

1.現場の本音を、ちゃんと聞く

 ・上司がいない場で、率直な不安や抵抗感を聞き出す

 ・「やりたくない」の裏側にある、「ほんとはこうなったら動きたい」を探る

 

2.経営の意図を、言葉にして整理する

 ・「なぜ今やるのか」「どこまでやるつもりなのか」を可視化する

・予算・人員・時間の“現実ライン”を、一緒に決める

 

3.両者の間に入る“翻訳資料”をつくる

 ・現場向けには「これなら動けそう」と思える道筋と役割分担を書いた資料

 ・経営向けには「この条件なら成果が出せる」「ここから先はリスク」という判断材料

 

このプロセスを踏んだ上で、初めて

・どんなスライドや会社案内が必要か

・どんなSNS運用やオウンドメディアが現実的か

・アポイント後にどんな資料を渡せば次の商談につながるか

といった「クリエイティブの具体論」に入っていきます。

 

私が「作りたくないもの」も、実はたくさんある

少し誤解を恐れずに言うと、私は

「必要がないと思うものは、作りたくない」

タイプの制作者です。

・会社として本気で回す気のないSNS

・誰も更新しないことが最初から分かっているブログ

・現場が運用イメージを持てていない高機能サイト

こういったものは、かっこよく作ること自体はできますが、

数年後に「結局あれ、意味なかったよね」と言われてしまう将来が見えてしまうからです。

 

逆に、

・小さく始めて、続ければ効いてくる仕組み

・現場が「これならできる」と思える導入ステップ

・経営が数字で判断できる、簡単な指標設計

こうした「地味だけど、ちゃんと効いてくる施策」を一緒に設計する方が、

長い目で見て企業の力になると信じています。

 

まとめ:温度差を埋める“第三者”がいると、組織は前に進みやすい

現場と経営、どちらが悪い・どちらが正しい、という話ではありません。

・現場は現場で、「現実」を見ている

・経営は経営で、「未来」を見ている

ただ、その間に橋をかける役割がいないと、せっかくのアイデアや予算が、

「検討して終わり」「一度試して終わり」で消えていってしまいます。

 

もし、あなたの会社でも

・会議では前向きな話が出るのに、何も進まない

・新しい取り組みのボールが、いつも宙に浮いたままになる

・現場と経営のあいだで、自分だけが板挟みになっている気がする

そんなモヤモヤがあれば、一度、第三者の視点を入れてみるのも一つの方法です。

 

私は、広告やクリエイティブの制作だけではなく、

【現場と経営の間に立って、施策が“ちゃんと回り始めるところ”まで伴走すること】

を、自分の仕事だと思っています。

 

「うちも、どこから手をつけたらいいのか分からない」

 

そう感じているタイミングがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

一緒に、止まっているボールを前に転がす方法を考えていければ嬉しいです。

 

 

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