白は200色ある――“色”にこだわる理由

2025年1月31日

業界標準の色見本を新調

年始の慌ただしさが少し落ち着いた頃、DICの色見本を新しく買い直しました。
事務所のテーブルいっぱいに色見本を広げて、ロゴや印刷物の色味を一つずつ選んでいく――そんな風景を眺めるのが、

私は実はとても好きです。これはもう“職人の所作”のようなもので、静かに集中するあの空気感は、何度見ても面白く、美しいとさえ感じます。

TikTokで「白は200色あんねん」というアンミカさんの言葉がバズっていましたが、まさにその通り。

白にも、グレーにも、赤にも、無数の“違い”があります。
それを目で見て、言語化して、クライアントの世界観にぴったりの“たったひとつの色”を選び取る。デザイナーの仕事とは、そういう感性と根気の積み重ねです。

紙の色も、画面の色も。

印刷物を作る際には、色見本(DICやPANTONE)をもとに実際の色味を精密に設定します。Webやスマートフォン上では見えない“物理的な色の質感”を設計し、印刷時のズレや再現性までを見越してデータを整える――
これが、私たちが普段から行っている「紙への向き合い方」です。

もちろん、そうした仕事はポスターやチラシだけではありません。例えば企業の封筒や名刺など、“直接手に取られる”アイテムにこそ、色への丁寧なこだわりが反映されていなければなりません。
そうした細部が、企業の信頼感や世界観を支えていると私たちは考えています。

 

色を見る目を、日々アップデートする

今回、DICの色見本を買い直したのは、単に古くなったからではありません。
“今”の感覚で色を選ぶ目を養うためです。時代によって人々が「美しい」と感じる色のトーンも微妙に変わっていきますし、印刷技術の進化によって再現性も変化します。私たちはそれを肌感覚で受け止めながら、常にアップデートされた感性でクリエイティブに向き合いたいと考えています。

 

(余談ですが)モニターの色も重要です

印刷物とは話が逸れますが、実は“画面上の色”の管理も同じくらい重要です。
弊社では、業界でも最高水準の色再現性を誇るEIZO製モニターなどを導入し、キャリブレーション(色調整)を定期的に行っています。

キャリブレーションとは、「モニターが本来表示すべき正しい色」を保つための調整作業のことです。
これは、ある意味「モニターの健康診断」のようなもので、放っておくとどんどん色味が狂っていってしまいます。
制作の現場では、たった1トーンの違いが「きれい」か「違和感」に変わってしまう世界ですから、ここも当然手は抜けません。

 

色に、手を抜かない会社です。

私たちは「細かい設定こそが、クリエイティブの価値を高める」と考えています。
デジタルでも、印刷物でも、SNSでも、媒体が違えば求められる“色の設計”は変わります。その中で最適な選択肢を探し、伝えたいメッセージを一番美しく届けられるように――
そんな思いで、毎日、デザインに向き合っています。

 

もし、色に悩んだら。
そして、なんとなくしっくりこないデザインに困っていたら。
ぜひ、私たちにご相談ください。

株式会社HET
長谷川嵩