社員が辞めない会社にある”もうひとつの福利厚生”
2025年5月30日
社内制度づくりに、向き合っていますか?
「会社案内は大切です」「映像も必要です」と、日々いろんな提案をさせていただいていますが、今日は少し違うテーマをお話ししたいと思います。
それは、“社員が辞めない会社”が持っている、目に見えにくいけれど確実に効いている「福利厚生」の話です。
「場」をつくる力は、空気を変える
正直に言いますが、私は地域の草取りとか、花壇整備とか倉庫の整理など、通常業務と異なる「作業系一体感づくり」みたいなものが昔からちょっと苦手でした。
東京で会社員だったころ、そういう活動は「ああ、またか……」と思っていたタイプです。
でも一方で、社内イベントや運動会などの企画・演出・運営は誰よりも張り切ってやっていました。社内報奨制度や忘年会の企画、社員表彰の演出。自分が社員として関わったときも、そういう場が“自分を認めてもらえたと感じた瞬間”だったからです。
「いていい場所」だと社員が思える会社は強い
今、広告会社として、企業のブランディングや組織づくりに関わる中で強く思うのは、
社員が“ここにいていいんだ”と思える仕組みが、離職率を下げるという当たり前だけど見過ごされがちなことということです。
たとえば、製造業のある会社では、現場チーム単位の活動(小集団活動と呼ぶことが多いようですが)をしっかり設計していて、
毎月の改善提案の発表、チームごとの成果を年数回表彰、自由参加でのレクリエーション費の支給といった施策を導入していました。
その結果、改善活動が活発になるのはもちろん、「自分の意見が役に立った」「仲間に感謝された」といった体験が、仕事のモチベーションにつながっているのだろうと感じました。
本当に“効く”福利厚生とは何か
福利厚生と聞くと、給料、休み、昼食補助など、数字で測れる項目に目が行きがちです。
でも実際に社員が会社を辞める理由は、上司と合わない、誰にも相談できない、自分が評価されていないと感じる──といった「空気」や「文化」に起因することが多いのです。
私自身もかつては、会社員として評価制度の設計に関わったことがありました。経営層と社員の思いをつなぐ制度の在り方を真剣に考えてきた経験があります。
また、採用担当としてビッグサイトの大型採用イベントで面接官として現場に立ち、何百人という学生や求職者と向き合ったこともありました。今では立場が変わり、第三者的な視点で採用活動全体を見直し、制度や仕組みの支援ができるようになったと実感しています。
文化を支える“仕組み”づくりの提案
たとえば、上司を評価する360度評価の導入、無記名アンケートでチームごとの悩みを見える化、コミュニケーションの偏りや断絶を“仕組み”で補う──
こうしたことをきちんと整えることで、「ここにいてもいい」という感覚が生まれてくると私は考えています。
もちろんその一歩目として、どんな設問にすれば社員の本音が聞けるか、どう設計すれば導入後も“回る”制度になるか──そんな設計段階から、私たちは関わることができます。
会社は“社員の目線”で見られている
忘れてはいけないのは、社員は、会社が自分をどう扱っているかをちゃんと見ている、ということ。
「うちはそんなイベントやらないから」と思っている会社でも、実は社員は“場”を求めていたりするものです。
派手なことをする必要はありません。その会社の文化に合ったやり方で、ちゃんと設計することが大事です。
組織の空気づくりから支援します
もし今、御社の中で
離職が止まらない、若手が定着しない、組織がどこかバラバラな感じがする──
そんな課題感があるとしたら。
数字では測れない“もうひとつの福利厚生”のあり方、今一度考えてみませんか?
必要があれば、私たちが“中の人の経験”も踏まえながら、制度設計や調査設計からお手伝いします。
社員が辞めない会社には、仕組みと心があります。
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株式会社HET
長谷川 嵩