先日、母校の高校で行われた社会人として働く先輩から仕事や生活について話を聞くキャリア企画「ようこそ先輩」に、講師として伺いました。
イベント自体はすでに終了していて、後日、生徒たちのアンケート結果もいただきました。

お礼状は「行事としての総括」がとても丁寧で、先生方がどんな意図でこの場をつくっているのかが、まっすぐに伝わってきました。
二つの講座を通して、生徒が「今を大切にすること」や「将来像を少し具体的にすること」を学べた、という趣旨が綴られていて、胸が熱くなりました。

一方で、自分の中に残っているのは、もっと細かな場面です。
廊下の空気の冷たさ、階段の角度、掲示板の文字の癖。ほんの数分で、当時の感覚が戻ってくる感じがありました。

引き継がれていく役割と、引き受ける覚悟

この講師枠は、地域の経営者の方からご紹介いただき、引き継ぐ形で担当しています。
長く続いてきた役割を受け取るのは光栄でしたが、正直なところ、最初は【自分でよいのだろうか】という迷いもありました。

ただ、教室の前に立った瞬間に、その迷いが少し整う感覚がありました。
生徒の前では、背伸びしてもすぐに見抜かれます。うまく話そうとするほど空回りする。結局、役に立つのは「立派な教訓」よりも、“そのとき何が起きて、自分がどう迷ったか”という具体のほうだと、毎回感じます。

 

生徒会長と陸上部部長だった頃に学んだ、チームワークと積み重ねの話

高校時代、私は生徒会長と陸上部部長を務めていました。
両方やっていた、と言うと「どうやって回していたの」と聞かれることがあります。

でも、ここは誤解してほしくないところで、全部を自分ひとりで抱えていたわけではありません。
むしろ逆で、【周りの人に頼ること】と【頼った先で仕組みにすること】を、学生のうちに何度も教えてもらった時間でした。

生徒会の仕事は、細かなタスクの連続です。
行事の段取り、連絡、資料、調整。全部をひとりで完璧にやるのは現実的ではありません。

だからこそ、
“これはお願いしたほうが早い”
“この部分は得意な人に任せたほうが良い”
そうやって、都度、仲間に相談して頼っていました。

何よりありがたかったのは、こちらが言う前に気をきかせて動いてくれる仲間がいたことです。
「これ、先にやっておいたよ」
「ここ、手が足りなさそうだから引き取るね」
そういう小さな支えが積み重なって、行事も日々の運営も回っていました。

今思えば、あれは【チームワーク】というより、もう少し具体的に言うなら
“仕組みで動く感覚”
だった気がします。

誰かが抜けても止まらないようにする。
情報を共有して、属人化させない。
やることを見える化して、引き継げる形にする。

この感覚は、社会に出てからの仕事にそのままつながっています。

一方で、陸上部のほうは少し違います。
部としては当然チームですが、競技そのものは結局、自分と向き合う時間がほとんどです。

私は110メートルハードルに取り組んでいました。
最初から自分で決めたというより、顧問の先生に
“ハードルが向いているよ”
と声をかけてもらったことがきっかけでした。

いま振り返ると、あの一言は大きかったと思います。
自分では気づけない適性を見つけてくれた人がいた。そこで素直に受け止めて挑戦したからこそ、結果につながる道筋ができました。

練習は派手ではありません。
フォームを整えて、リズムを崩さず、同じ動きを繰り返す。
焦ると引っかかるし、慎重になりすぎるとタイムが落ちる。だから黙々と、自分の癖と向き合うしかない。

その地味な積み重ねが、ある日ふっと結果に結びつく瞬間があります。
【精神力を鍛える】というと大げさですが、少なくとも私は、あの練習の時間の中で「自分を整える感覚」を覚えた気がします。

そしてもちろん、部活もひとりでは続きません。
顧問の先生、先輩、仲間。見守ってくれる人がいて、声をかけてくれる人がいて、競争してくれる相手がいる。そういう環境があったから、最後まで続けられました。

生徒会で学んだのは、【人に頼って仕組みにすること】。
陸上で学んだのは、【自分と向き合って積み重ねること】。
どちらも、当時の周りの人たちが与えてくれた経験だと思っています。

質疑応答のほうが、本番だった気がする

後半の質疑応答が、とても濃い時間でした。
将来の不安、進路の迷い、今の自分への違和感。質問はきれいに整っていないものも多いのですが、そこにこそリアルがあります。

答えながら、“昔の自分なら、何に引っかかっただろう”と何度も思い返していました。
その往復が、場の空気を少しだけ前に進めてくれたように感じます。

アンケートを読んで、こちらが背筋を伸ばされた

後日、生徒の感想をまとめた資料を拝見しました。
そこには「行動力を大切にしたい」「失敗も迷いも財産にしたい」「自分の選択に責任を持ちたい」といった言葉が並んでいました。

講師として嬉しいのは、褒められることよりも、誰かが自分の生活を一段だけ見直す“きっかけ”になったと感じられることです。

同時に、まっすぐな言葉は、こちらの甘えも見透かしてきます。
忙しさを理由に雑になっていないか。
やると決めたことを途中で曖昧にしていないか。
生徒の感想なのに、どこか自分への問いかけのように聞こえる部分がありました。

地域で続けることは、小さな約束に近い

会社としての宣伝とは別の場所に、こうした活動はあります。
もちろん事業は真剣です。ただ、地域で暮らし、地域の方々に支えられている以上、何らかの形で返していくのは自然なことでもある。

大げさに言うと、地元で続けるという小さな約束。
その約束を、静かに積み重ねていきたいと思っています。

 

 

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