バーチャルとリアルが融合する大型イベントのクリエイティブを担当
2024年5月29日
近年、AR技術を用いたバーチャルアイドルのライブやイベントが世界的に注目を集めています。
私たちは先日、都内の大規模アリーナで開催されたバーチャルアイドルのリアルイベントにて、
会場を彩るあらゆるグラフィックデザインを担当させていただきました。
今回は、その経験を通じて感じた業界の盛り上がりや技術的な進化、そして弊社が得た学びを皆さまにお伝えできればと思います。
このイベントは、いわゆる“AR技術”をフル活用したライブパフォーマンスが最大の見どころでした。
ステージ上にはバーチャルキャラクターが投影され、まるで実在するアイドルのように歌い踊り、観客とコール&レスポンスで盛り上がる姿がとても印象的でした。
普段のライブとは一味違う、不思議な臨場感があり、リアルとバーチャルの垣根を超えるエンターテインメントが確かに成立していたのです。
【弊社が担当したクリエイティブの内容】
今回、私たちが手掛けたのは下記のような多岐にわたるクリエイティブです。
・会場入り口やロビー、コンコースの大型パネル
・来場者をスムーズに誘導するためのフロアサインや案内看板
・オフィシャルグッズのチラシやフライヤー
・メインステージ周辺で流れる映像用のキービジュアル
・その他、会場内外に設置される広告や装飾用のデザイン一式
いわば【イベント全体のトーン&マナーを統一】する役割を担うことになりました。
大規模かつ先進的なライブであるため、バーチャルアイドルの世界観を損なわないように、
かつ現地での視認性や使いやすさを考慮しながらデザインする必要があります。
ARのステージ演出やファンとのインタラクションを考慮した上で、
あらゆるツールを最適化していく作業は非常にやりがいがありました。
【バーチャルアイドル×ARライブがもたらす新しいエンタメ市場】
バーチャルアイドルのイベントと聞くと、オンライン配信のみを想像される方も多いかもしれません。
ところが、今では会場そのものを借り切って、リアルな観客を集める大型イベントが積極的に行われるようになっています。
>技術の進歩
ARや3Dモデルのリアルタイム描画、モーションキャプチャ技術の高度化により、バーチャルキャラクターの動きや表情が驚くほど滑らかになりました。
ライブ会場でもタイムラグを感じさせないパフォーマンスが可能になり、観客は本当にキャラクターが“そこにいる”ような感覚を得られるのです。
>収益モデルの多様化
ライブチケットや配信チケットに加えて、グッズ販売やデジタルコンテンツの展開、企業スポンサーからの協賛など、さまざまな収益源が確立され始めています。
特に配信チケットは、会場に来られないファンや海外のファンを取り込む上で大きな可能性を秘めているため、市場規模を押し上げる重要な要素となっています。
>ファンコミュニティの拡大
バーチャルアイドルは日常的に動画配信やSNSでの交流を行っており、インターネットを介して世界中にファンが存在します。
リアルイベントを開催すると、オンライン上のコミュニティが一気にオフラインへと広がり、さらなる盛り上がりを見せるのです。
【弊社の学びと感謝】
今回のプロジェクトに携わることで、私たちは“バーチャルとリアルの融合”が進むエンターテインメントの最前線を体感することができました。
改めて、多くの関係者の方々に【心より感謝】を申し上げます。
こうした革新的なステージ演出におけるグラフィックワークは、まだ正解が確立されていない部分も多く、企画段階から試行錯誤を重ねました。
しかし、それこそがクリエイターとしての喜びであり、新たな発想を生む原動力にもなりました。
例えば、ステージ上の演出に合わせて看板やパネルのデザインを変更したり、配信画面に映り込む背景ビジュアルを動的に調整したりといったアイデアも飛び交いました。
最終的には、来場者とオンライン視聴者が両方楽しめるように、【全体のビジュアルコンセプトを一貫】させつつ、部分的にはそれぞれに最適化を行うというスタイルに落ち着きました。
【バーチャルアイドル業界の可能性】
AR技術とバーチャルキャラクターを組み合わせたイベントは、既に世界的に注目されており、市場規模も毎年大きく膨らんでいると言われています。
今後はさらに次世代のテクノロジーが導入され、より没入感のある舞台演出や、観客とのインタラクションが拡張されることでしょう。
そうした新しい表現手法が確立されるたびに、周辺ビジネスや関連するクリエイティブの需要も大きくなっていくはずです。
そして、こうした取り組みを支えているのはファンの熱量です。
リアルイベントの動員だけでなく、配信やアーカイブ視聴を通じて世界中から応援してくれるファンが増えることで、バーチャルアイドルやARライブの可能性はさらに広がります。
まさに【新たなエンターテインメントの時代】が到来しているのだと感じています。
【今後の展望】
今回のイベントで私たちが得たノウハウは、今後さまざまなプロジェクトに活かせると考えています。
リアルイベントとオンライン配信が連動するケースは、今後ますます増えていくでしょう。
私たちが取り組むグラフィックデザインも、単に目立つビジュアルを作るだけでなく、
イベントの【世界観の統一】や【参加者の体験価値向上】に直結する視点が求められるのだと痛感しました。
バーチャルアイドル業界だけでなく、企業展示会、音楽フェス、スポーツ関連イベントなどにおいても、AR技術やバーチャル演出が取り入れられる可能性は十分にあります。
その際に大事なのは、デザインや演出が“単なる装飾”にとどまらず、本質的に【ユーザー体験を豊かにする】方向へとつながることだと思っています。
今回のイベントでは、大規模アリーナを舞台にバーチャルアイドルのライブを彩るため、会場全体のグラフィックデザインを担当いたしました。
AR技術を活用してバーチャルキャラクターがリアルと見紛うほど自然にステージを演出する姿は、
世界的に拡大しつつあるエンターテインメントの潮流を強く感じさせます。
私たちのグラフィックワークがイベントの世界観を形づくりながら、オンライン配信とリアル会場をつなぐ重要な役割を担っていることを改めて実感し、
今回の経験を糧に今後も新しい技術や表現方法を積極的に取り入れたいと考えています。
こうした革新的なプロジェクトに参加できたことを心から嬉しく思うと同時に、
これからもさまざまなイベントをさらに盛り上げられるよう、いっそう精進してまいります。
株式会社HET
長谷川 嵩