「広告をブロック」と検索する人の多くは、突然出てくるポップアップや動画広告を避けたい、追跡されているような不快感を減らしたい、通信量や表示速度を改善したい。そういった“生活に直結する理由”を持っています。

制作側にいると、ここにはどうしても感情が入ります。
__見てもらえない前提で設計する__という現実は、正直、切ない。

ただ、ブロックの是非を争っても状況は変わりません。
いま必要なのは、生活者が何に不快を感じているのかを分解し、__嫌われない形で情報が届く構造__へ寄せていくことだと感じています。

 

いま何が起きているのか

広告ブロックが一般化した今、Web広告は「見られない」だけでなく、最初から読み込まれないケースが増えています。
真面目に作ったブランド広告や、社会的に価値のある告知まで、同列に消えてしまうことがある。作り手としては報われにくい構造です。

背景にあるのは、広告そのものへの嫌悪というより、広告体験の悪化の積み重ねです。
閉じにくいUI、過剰な点滅や音、ページ表示の阻害、過剰な追跡。こうした体験が業界全体の信頼残高を削り、「まとめて遮断する」動機を強めています。

 

広告がブロックされる理由を 3つに分けて整理する

広告ブロックの理由は「広告が嫌い」という単純な話ではありません。多くは【体験の損失】と【不信感】の回避です。ここでは【ユーザー心理 技術 環境】で整理します。

  1. ユーザー心理
    広告が嫌われる瞬間は、広告が“情報”ではなく“邪魔”として体験されるときです。途中で遮られる、勝手に鳴る、閉じにくい、広告のせいで遅い。
    ここで記憶されるのは商品ではなく、“体験を壊された感覚”です。
  2. 技術
    技術側は「消す」から「読み込ませない」へ進化しています。
    Safariのブラウザエンジンである【WebKit】は、クロスサイトのCookieをデフォルトでブロックする方針を明確にしています。結果として、配信や計測の前提が揺れやすい状態が続きます。(WebKit)
  3. 環境
    さらに、ルールそのものが動いています。
    たとえばChromeのサードパーティCookieをめぐる方針は、段階的廃止の計画から、ユーザー選択を軸にした方向へ舵が切られるなど、変化が続いています。(フィナンシャル・タイムズ)
    ここで大事なのは善悪ではなく、外部環境が変わり続ける以上、特定の手法に依存した設計ほど不安定になるという点です。

 

数字で見ると 広告回避はすでに一般的な行動になっている

感覚だけだと、現場の実感と読み手の実感がズレることがあります。最低限、数字も押さえておきます。

消費者の利用実態調査を行う企業【GWI】のデータをもとに、Backlinkoは「2024年時点で、世界のインターネット利用者の31.5パーセントが少なくとも時々は広告ブロッカーを使う」と整理しています。(Backlinko)

ポイントは、割合の細部より意味合いです。
広告回避は“特殊な人の行動”ではなく、一定割合で常態化している生活行動だということ。だからこそ広告側は、見てもらう工夫だけでなく、__見られない前提で価値が残る設計__へ切り替える必要があります。

広告枠で勝つより コンテンツとして選ばれる企業へ

広告がブロックされる時代に強いのは、「広告枠で勝つ企業」より「コンテンツとして選ばれる企業」です。

生活者は広告を遮断しても、必要な情報は自分から探しに行きます。
つまり企業側がやるべきは、押し込む発想から、納得できる情報設計へ寄せることです。

実務で効きやすい動きは、次のような“地味だけど強い”ものです。

・売る前に “失敗しない選び方” “比較軸” “チェックリスト” を出す
・導入後の未来を具体化する 事例 運用手順 費用感 注意点を出す
・広告は入口に留め、体験は記事や動画で完結させる 広告→記事 動画→資料→相談
・計測できない前提で、指名検索 再訪 会員化など“信頼の指標”を設計する

そしてもう一つ重要なのが、データの持ち方です。
リターゲティングのような外部前提に寄り過ぎず、同意を得て蓄積できる【自社の基盤】会員 問い合わせ 購入などを軸に、関係を育てるほど、ブロックや規制の影響を受けにくくなります。

 

HETの立ち位置

媒体の選び方は、ここ数年で前提が大きく変わりました。
それでも地方では、旧来型のマスメディアが“絶対に正しい”という感覚が強く残っている場面もあります。

もちろん、オールドメディアが悪いわけではありません。
ただ、いまは情報接触が分散し、広告がブロックされる環境も一般化しています。
だからこそ大事なのは、媒体の格ではなく【届き方の設計】です。

私たちHETは、特定のメディアや業界構造に依存して仕事を成立させている立場ではありません。必要なら「いまそれは効きにくいです」と率直にお伝えし、そのうえで事業と顧客にとっての“最短距離”を一緒に考えます。

手段は、オールドメディアでも、SNSでも、検索でも、動画でも構いません。
結論ありきで媒体を押すのではなく、届く確度が高い設計に寄せる。ここを一番大切にしています。

また、内製やAI活用を進めたい企業様には、その意思を前提に設計します。
外注に戻すのではなく、社内で回せる領域は社内で回しつつ、足りないところを一緒に埋める。そういう伴走の仕方も現実的だと考えています。

 

まとめ

広告がブロックされるのは、生活者が快適さと安全性を守るための合理的な行動であり、同時に広告体験が積み上げてきた“不満の蓄積”でもあります。

この現実を受け止めたうえで、体験を壊さない広告、誠実で透明なコミュニケーション、文脈に沿った提案へ設計を戻していく。さらに、コンテンツとして選ばれる導線を整え、自社の基盤で信頼を育てる。
いま主戦場は、配信の技巧ではなく【信頼の設計】だと感じています。

いまの媒体配分や運用の前提が「過去の成功体験」に寄っているかもしれない、と感じたら、まずは現状の棚卸しから一緒に整理できます。
急ぎの発注でなくて構いません。何を残して、何を変えるべきか。その判断軸づくりからご相談ください。

 

 

お問い合わせはこちら

↓公式LINEでも受付中↓

友だち追加

株式会社HET
長谷川 嵩

 

(※ブログ内の画像はイメージです)